
店舗:株式会社キタヒロ
( Brand Story )
広島県の北西部、山間部に広がる北広島町で誕生したのが県産豚のジャーキー。乾物の常識を覆すジューシーでしっとりとしたジャーキーは、毎回出店いただいているDL-TOWNのマルシェでも人気を博しています。まちづくり会社であるキタヒロさんに、ジャーキー誕生のきっかけや事業にかける想いを伺いました。
お話を聞いた方
地域資源を最大限に活かし、あるべき未来の循環を描くまちづくり会社です。公民連携の取り組みの一貫として立ち上げた「きたひろブランド」の推進に向けて、生産者とのコラボレーションから産品開発、販売ネットワークの構築に至るまで推進しています。そのほか、廃校になった旧南方小学校の再生プロジェクト、地域の方の困りごとの解決など、町に根差した事業を幅広く行っています。
○ Index
株式会社キタヒロが設立された経緯と事業内容を教えてください
人口1万6000人の北広島町で、まちづくりをするために立ちあげた会社です。もともと町役場と手を組んでいましたが、異動が多い行政特有の性質がネックになり、なかなか事業が前に進まないことが課題でした。そこで「行政まかせにせず、民間でまちづくりをやっていこう」と発信したら、町内で事業をしている3社が集まってくれたんです。そして私の会社も含めた4社が出資し合って設立したのが「株式会社キタヒロ」です。
まちづくりということで、まずは北広島町のおいしい食材に目をつけました。山間部なので冷涼な気候で育つ高原野菜や果物、豊かな自然のなかで生まれるおいしいお肉がたくさんあります。しかし、それらは主に町内だけで流通しているので、我々が町産食材を使って製品を作れば、町の外に流通させることができる。広範囲に北広島町の味覚をお届けできるのでは、と考えて商品開発に力を入れています。
これまでどんな商品を開発されたのでしょうか?
アイスクリームや芸北冷燻サーモン、ジビエステーキなど、2年間で10商品近く開発しました。もちろんうまくいかなかったものもありましたが、トライ&エラーで少しずつヒット商品が誕生しています。そのひとつが今回ご紹介している「広島県産豚のジューシージャーキー」。広島駅や空港のおみやげ店、飲食店でも取り扱いいただき、少しずつ認知も広がっています。
「広島県産豚のジューシージャーキー」が生まれたきっかけを教えてください
北広島町で芸北高原豚を育てている養豚場があったので、試しにジャーキーを作ってもらったらすごくおいしいものができたんです。素材のおいしさが証明されたので、自信をもって商品化を進めました。しかし少しずつ販路が広がっているタイミングで、養豚場の社長が亡くなって廃業されることに……。養豚場の廃業という大きな転機を迎えましたが、「広島の豚のおいしさを届け続けたい」という想いから、現在は新たな県産ブランド豚と出会い、ジャーキーづくりを続けています。使用する豚は変わりましたが、地元・広島県産へのこだわりと素材本来のおいしさを活かす製法はそのまま。新しいブランド豚ならではの旨みも加わり、さらに多くの方にご好評をいただいています。
苦渋の選択だったと思います。根底には地域の産業を守っていきたいという想いがあるんですね
そうですね。一次産業の衰退については、我々もなにかできないかと常に考えています。県産豚でジャーキーを作り続けることで、一次産業に関心をもっていただくきっかけになればと思います。そして、まずはキタヒロがおいしい商品を作ること。それが「北広島町で生まれるものはおいしい」という認知につながるといいなと考えています。
改めて「広島県産豚のジューシージャーキー」のおいしさを教えてください
味わいでいえば、県産豚は旨みとコクがあり、引き立つ甘みが特徴。その良さはジャーキーにも存分に活かされています。また、ジャーキーというと、噛み応えがあって乾いたものをイメージされると思いますが、「広島県産豚のジューシージャーキー」はやわらかくしっとりとしています。脂身を使っているのも珍しく、甘みやジューシーさが味わえるのはこの脂身のおかげなんですよ。
おすすめの食べ方はありますか?
まずはそのまま食べてみてください。あとは刻んでコロッケやポテトサラダに加えるのもおすすめ。ジューシーな味わいのおかげで、ベーコンの代わりに使えます。アレンジ料理もぜひ楽しんでいただきたいです。
お酒にも合いそうですね!
そうですね。塩味と甘みが口に広がる濃い味わいで、肉感が強いのでお酒のアテにぴったりです。広島市内の居酒屋では、レタスとマヨネーズを添えてメニューのひとつとして提供しているところもあります。広島といえばお好み焼きやもみじ饅頭といった名物はありますが、新しい広島名物として定着してくれたらいいなと思っています。
パッケージも素敵ですよね。こだわった点を教えていただけますか?
ありがとうございます。おみやげとして印象に残るデザインにしようと試行錯誤しました。まず、キタヒロは4社が集まっていますが、社長がみんな男性なので我々の視点や感性だけに偏らないように注意しました。手に取りたくなるようなやさしい雰囲気で、できるだけシンプルに。県産豚が売りなので豚を強調したデザインにしています。
おみやげとしてはもちろんですが、父の日などのプレゼントにも選んでいただけると嬉しいです。DL-TOWNでは30g×5袋入りのギフトボックスもご用意しています。
廃校を活用して運営するカフェ
「South in North」の様子
株式会社キタヒロとしての今後の展望を教えてください
まずは北広島町のおいしい食材を通して、町のことを知ってもらいたいですね。キタヒロのブランドを広めることでまちづくりに貢献していきたいと思っています。
あとは食だけでなく、私の母校でもある小学校で「廃校プロジェクト」に取り組んでいます。いまはパン屋さんに入ってもらい、隣でカフェを運営も始まりました。コワーキングスペースやシェアオフィスなど、どんどん活用したいですね。去年は廃校で夏祭りを開いて花火も上げました。地域の人たちが集い、にぎわう場所に育ってきています。そして、こうした取り組みを通して、町の子どもたちや若い人たちに北広島町には面白い人や魅力的な事業が存在しているんだということを知ってもらいたいです。
若い方が進学や就職で町外に出ることは仕方ないこと。ただ、彼らが外で経験を積み、成長したあとにまた戻ってきたいと思えるようなフィールドを作るのが私たちの役割だと思っています。
いずれキタヒロの事業で利益がでたら、町に公園や映画館を作ろうと話しているんです。私たち自身も夢を追いかけながら、町ににぎわいが作れたらいいなと思います。